池袋西口一帯の鎮守の杜
池袋三丁目最大の神社は最近拡幅工事が完了した御嶽通りの中腹にある。
御嶽通りは元々は細い道で、両脇を並走する坂下通り商店街と池袋三葉通り商店街の方がむしろ栄えていたようだ。
御嶽神社はこの辺り一帯の町会や商工者の地縁の拠り所として今も佇む。
神社のしおりによると、社殿創建は1687年、社殿造営は1854年のこと。
一説には甲斐の武田勝頼の家臣団がこの地に逃れ、持参してきた神宝でこの地に神社を造営したという伝承もあるようだ。
幕末・明治期には職業絵師による大絵馬が数面奉納されているという。
御嶽神社となったのは1959年のことで、その前は三嶽神社という社名だった。
「村社会」と「祭り」
この辺りの人のお話を聞ける機会が最近増えたのだが、いろいろなところで
「この一帯(=池袋)は意外と村社会が色濃く残っている。」
という話を耳にする。
だからよそ者はなかなか馴染まず、でも現代社会なのでそれにもあまり気づかずここで過ごす。
露骨に拒絶されるわけでもない。でも何か見えない膜のようなものに隔てられている感覚はある。
普段はなかなか人の繋がりが見えづらい地域。
しかし、「村」にとって重要な行事である「祭り」を覗いてみると、それが少し垣間見えたりする。
子供の頃、祭りといえばただただ楽しむものだった。
大人視点で見ると、何かそれは言葉では語れない、地縁を確認する場のようにも見える。
各町会長や商店会長が集まり、共同で祭りを支え、飲み、そして帰っていく。
普段は静かな境内。木陰で佇む人。
池袋にちなんで可愛らしい何羽かのフクロウの石像もある。
それは境内だけでなく周囲の住宅地にも。
御嶽神社
豊島区池袋3-51-2
行事:
新年祭(1/9), 節分祭(2/3), 祈念祭(2/14), 稲荷祭(初午), 夏越大祓(6/30),
七夕祭(7月第一日曜), 例大祭(9月第四土日), 新嘗祭(11/14), 年越大祓(12/31),
月次祭(毎月14日)
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