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003.みらい館大明

更新日:2019年7月31日

生涯学習施設になった旧小学校

池袋三丁目のちょうど中央あたり、密集する住宅地と商店街に囲われるように区立大明小学校はあった。 平成初めに起こった学校の統廃合の際、ここは池袋小学校に統合され、小学校としての役目を終えた。それが平成17年のこと。


当時の豊島区は財政難。

廃校跡地の民間売却も行われていた時期だった。 現帝京平成大学の場所にあった時習小学校などはその一例だ。

けれどここは売却ではなく、引き続き地域の人々が運営・管理する生涯学習施設として、残り続ける道を歩んだ。




運営するNPO理事長の杉本カネ子さんは谷端川南緑道境橋にある美容室の店主。

当時の話や思いなどをお聞きした。


「一番は地域の避難所の確保。池袋ってね、意外と地域割りがはっきりしていて、例えばここが廃校になって池袋小学校とかが避難所に代わった時に、この地域の人たちがたどり着けないんじゃないか、と。学校として、この場所を残したかった。」





平成で積み残された色々な歪みを吸収する役目


杉本さんは平成4年から大明小学校の「学校開放運営委員会」のメンバーで、学校の放課後などの空き時間に地域利用の場として貸出す運営を行なっていた。

生涯学習施設としての下地は、実はこの頃からあったのだ。

昇降口、廊下、階段室、体育館等そのまま小学校が残り、少し懐かしさを感じる場所で、

今も、ダンスや演劇、語学など多くの団体のスクールが開かれている。

ちょうどここの廃校と同時期に、ときわ通りにあった区立の青年館が閉鎖する話もあり、

大明がその機能を引き受けている。

「生涯学習」と「若者支援」、これがオープン以来ずっと、みらい館大明の軸。


では、若者とは?

「18歳から20代くらい。でも最近は35歳くらいまでが若者かな。」

バブルとゆとり、平成の教育はこの二つの大きな歪みを抱えていた、と杉本さんは振り返る。

「ちょうど昭和58年頃生まれの子供って、自分の親はバブル期真っ只中、高校の途中では大きな教育方針転換、とても大きな歪みを両方経験している。衝撃的な少年犯罪が起きたのも、引きこもりが社会現象になったのもちょうどその教育方針転換の頃。」


ある意味、平成で積み残された色々な歪みを吸収するための「学校」として、大明はあるのかもしれない。

そんなことを思いました。



なかなか難しい池袋三丁目

近隣に住む人からの要望で始まった4月はじめの「大明さくら祭り」には老若男女多くの人々が来て賑わっていた。


そんな廃校施設がある池袋3丁目だが、まだ地域としてはなかなか繋がりが分断されたままのところも多い。


「古くからここに住む人と、新しく来る人のコミュニケーションがなかなか進まないところが多い。特に古くから住む人でウェルカムでない人は結構多い。そういう意味で難しい地域。」


ハキハキと話す杉本さんに最後は背中を押していただきました。



みらい館大明

豊島区池袋3-30-8

9:00-21:00 (年末年始除く)

http://www.toshima.ne.jp/~taimei/


大明ブックカフェ(若者支援部門)

月-木 16:00-20:00

土日 13:00-18:00

※イベント等での閉鎖あり

https://taimeibookcafe.net/

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