プロ向け撮影機材屋さん
iPhoneやInstagramによって、写真撮影・加工技術は誰もが気軽に擬似再現できるようになった。
風景写真に関して言えば、素人のインスタグラムが反響を呼んで写真集として発刊される現象さえ起こっている。そんな中、未だに圧倒的にプロにあって素人にない技術、その一つがライティングではないだろうか。
アガイ商事は池袋二丁目の住宅地に佇む、ライティング機材の代理店ショールームである。
月1度行われるオープンスタジオ。
無料開放された社屋の地下にある撮影スタジオで最新商品のデモが行われたり、屋上の撮影テラスで納涼ビアパーティーが行われたり。普段ライティングに触れることのない人でも気軽に参加できるイベント。プロとメーカー、プロ同士の交流場ともなっている。
社長の石木勇さん。
コニカの社員として世界中を飛び回り、ギリシャに5年間駐在した過去もある。
1991年に会社を創業させた当初は特定取引先との取引のみを扱い、社屋はほぼ事務所+倉庫のみだった。しかし1999年頃、小売直販へのシフトを決断。
倉庫のようになっていた1Fをショールームに、地階を撮影スタジオに改修し、さらにオープンスタジオで社屋を開くことでより多くの人との接点を設けようと試みている。
ここで取り扱うのは、実際にヨーロッパやアメリカまで赴いて品定めをした、選りすぐりの撮影機材。
社長が「スイス人の緻密な気質がそのまま表れている」と語るbroncolorというライティング機材メーカーは創業当初からこの会社の主力取扱商品だ。
他にも、スウェーデンのカメラメーカーのHASSELBLAD、デンマークのカメラメーカーのPHASE ONE等、海外の高性能な撮影機材を取り扱う。その他、少し変わったところではスイスワインの直輸入販売も。
現在は販売だけでなくレンタルも行なっており、プロが機材の性能デモをしたり、アマが少し本格的な撮影に使ってみたり等、その需要は近年増加傾向という。
被写体が生きる/化けるライティング
とは言え、素人にはライティングの良し悪しはどうもピンとこない。
ということで一つデモをしてもらった。
Fotodioxという米国メーカーの薄型LEDの「光るレフ板」。
色温度はダイヤルで3200K〜5600Kまで調整できる。
例えばペットボトルのお茶を、斜め上から照らした場合。横から照らした場合。後ろから照らした場合。斜め上からだとボトルの形がシャープに出やすく、横からだと光沢が強くなり、後ろからだと中身のお茶の物体感が綺麗に出てハイセンスな雰囲気に。
ちなみに<au三太郎>や<HINOの2トン>のCMにもアガイ商事供給の照明機材が使われているとのこと。
言われてみると確かにどちらもパキッとしたシャープな映像が魅力的なCMだ。
商用写真・映像撮影の「ものづくり工房」
各種の高性能ライティング機材や映像撮影機材が揃い、地下の撮影スタジオにはパウダールームも完備。その他大判の高性能写真プリンタやフィルムスキャナ等もあり、それぞれレンタル価格を払えば比較的リーズナブルに使用できる。
さながらここは商用写真と映像撮影の「ものづくり工房」のような場所かもしれない。
アガイ商事株式会社
豊島区池袋2-23-16
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