板橋区と豊島区の境を走る緑道公園
全長1.5km 2区の断面を垣間見る
谷端川南緑道は熊野町交差点から先は谷端川北緑道として続く。
南緑道の境橋から豊島区と板橋区の区境となる緑道だが、北緑道では全長に渡って区境を走っていく。
熊野町交差点を背に左手側が板橋区、右手側が豊島区。
豊島区側は木賃らしき比較的低層の建物が続くのに対し、板橋区側は個人邸や中高層マンションさらには工場が並ぶ。
そこに垣間見える2区の断面のコントラストがなかなか面白い。
Topics. 欄干跡
南緑道と同様に北緑道にも残る、かつての橋の名残。
北緑道では8箇所の橋がある。
熊野橋-前田橋-北浦上橋-北浦橋-中丸橋-金井窪橋-西前橋-豊橋
そして突然訪れる西前橋での断絶。
1段上がった緑道はここでプッツリと車道に分断される。
この違和感の正体は後ほど。
熊野橋〜前田橋:豊島区と板橋区のスイッチ地点
暴力的な首都高の高架、ドンキホーテ、そしてタクシー操車場。
谷端川北緑道はこの殺伐とした場所から始まる。
そして管轄はここから板橋区に。(南緑道は全て豊島区。)
熊野橋の由来は、ここ熊野町交差点に鎮座する熊野神社。
歴史ある神社なのだが、この高架と交通量の多い交差点のせいですっかり隠れてしまっている。
熊野町交差点には交通事故発生ワースト1位の常連というありがたくないオマケつき。
緑道も同様にこの交差点で大きく分断されており、その連続性に気づく人がどれくらいいるだろうか。
前田橋〜金井窪橋:二区のギャップゾーン
少し歩みを進めて北浦上橋を過ぎると、遊具が置かれた小さな公園があったり、
正面に大木が生えた歴史のありそうな木造民家があったり、徐々に緑道としてののどかさを取り戻していく。
ん?
犬・猫のみなさんへ!?
ん?
この辺りの雰囲気はなかなか良い。
豊島区側の密集する木賃たちと、
板橋区側は、なぜか川の上にせり出すかのように増築された鉄骨造のバルコニーのついた住宅がちらほらと。
北浦橋には、橋に向かい合うように船形の花壇が。
ここにかつて水が流れていたことへの遊び心だろうか。
北浦橋に差し掛かる手前、豊島区側の路地の奥に、紅い楼閣のような建物が見えたので近づいてみる。
九龍城のような遊郭のような、この建物。
大きめのシャッターがついていてファンが回っている。
どこかで見覚えがあると思ったら、アレグロの第二工房だ。
金井窪橋〜西前橋:未整備の断層
金井窪橋を過ぎたあたり。
なぜかこのあたり、緑道の植栽や舗装が荒れているというか未整備の様子。
側道も途中で段があるので自転車は要注意。
左の板橋区側には青い鉄骨屋根付きの駐車場が見えてくる。
その奥にあるのがアイカという印刷会社の工場。この周辺には印刷や製本の工場が多い。
豊島区側にはこんな古い廃屋が。
育真塾と看板があるが、たぶんもうやっていない。
そして、西前橋のところで、緑道は広めの車道でパツッと斜めに切られる。
緑道の段葛は急に切れ、段差処理もなくただ車止めが設置されているのみ。
結構乱暴な切られ方だ。
実はここで板橋区の管轄が終わり、西前橋から先はまた豊島区の管轄になっている。
その管轄の切れ目が縁の切れ目のようになっているのだろうか。
車道を板橋区側へ行くと東武東上線の踏切があり、板橋宿や板橋区役所に行くことができる。
西前橋〜豊橋:豊島区の縁のカーブ
西前橋から先は再び豊島区管轄。
こちら側も橋の境界部分の処理が無理やりな感じがする。
道は右側へ大きくカーブし、その縁には波型の植込に緑がふんだんに植えられている。
なかなかここも良い雰囲気。
けれどこの木々たちは実は豊島区側にある、あるものを隠すように植えられているようにも感じる。
緑道から外れて見てみると、白い無機質な巨大ボリュームが続いている。
この正体は、東京電力の板橋変電所。
緑道沿いにならぶ住宅と巨大ボリュームのギャップがなかなかすごい。
豊橋〜下板橋駅:東上線車庫と並走する400m直線
豊橋を過ぎると、谷端川緑道最長で最後の直線に差し掛かる。
左側の東上線操車場と並走するようにその直線は400m近く続く。
しばらく歩くと右側に東京美術という看板が見えてくる。
学校美術教材や美術館展覧会パンフレット等を出版する大手の印刷会社。
この周辺に印刷・出版工場が多いのはこのためだろうか。
また少し先には本町印刷という印刷工場。
その少し先には、一軒の名もなき、しかし、なかなか趣のある古いトタン壁の建物が。
住居だろうか、もしくは作業場だろうか?人は住んでいるのだろうか?
壊してしまえば土地資産としての価値は上がるのかもしれないが、何かうまく転用することができれば、この上なく価値のある場所になりそうな気も。
そんなことを考えているうちに、緑道の終着点についた。
終着点は下板橋駅の踏切。
緑道は最終的には自転車置場になっていた。
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